カメラ随想

ニフティーサーブの写真フォーラムに掲載したものの抜粋と
日頃感じているカメラやレンズに関する感想です。
 

1. ライカM型の良さ
2. レチナクセノンにビックリ
3.レオタックスK
4. チョートク師に写真を写してもらいました。
5.ライ カのストラップ
6.フォカ入手
7. ヤシカYF手に入れましたが
8.ライカでの決算
9.何故ライ カなのか
10. どこでカメラを買うか
11.私 のライカと標準レンズ
12. ライカコピーと標準レンズ
13.マクロスイターと近接ズミクロン とRズミクロン


 1.ライカM型の良さ
 ライカコピーやキヤノンVIシリーズ、フォカも本格稼働しているのですが、使えば使うほど、ライカM型の良さが身にし みてきます。

 ライカもボディやレンズがほぼ揃ってくると、よくあるパターンですが、ライカコピーに興味が移ってきました。
 しかも数あるバルナックのコピーでなく、M型の要素を取り入れたライカコピーということに重点を置いて(数が少ないの で)、入手しやすい国産や外国の物を手に入れてきましたが、どれもM型には遠く及ばないというのが本音です。(現在はバルナックコピー中心に収集中)

 まずはファインダーです。
 はっきり言って、ライカ以外の機種は見づらいのです。ブライトフレームが駄目、距離計部分が虚像式などなど、ライカを 超えているものは一つもありません。ライカやミノルタCLE以外に自動切替ブライトフレームというのはつい最近までありませんでした。

 次に一軸等間隔不回転シャッターになっている機種はキヤノンとニコン位しかありません。

 M3でレンジファインダー機は9割方完成してしまったというのがM型ライカのつらさかなという気がしています。
 ニコンSシリーズも興味はありますが、ライカM型の良さを再確認する事になるだけだということが分かっているので手を 出せません。(1998.10)

追記 この文を書いてから、約十年たちましたが、驚いたことにニコンS3とSPが復刻されました。初恋の人に逢っ たような気になりました。
    結局、購入してしまいました。(2007.01)



2.レチナクセノンにビックリ

レチナIIIcのクセノンで2本ほど撮った上がりが出来てきました。

うーん、ビックリ。色のりがすごい。

 東京の空がこんなに青く写るのに驚きます。実際の空の色以上です。また30分の1でもブレていません。さすがに 15分の1ではかすかにぶれています。これは私の腕のなさです。それでも私の持っているどのフォーカルプレーン機よりブレが少ないです。ブレづらいという のはレンズシャッター機のメリットの一つです。

 以前、千代田光学(ミノルタの前身)が行ったテストリポートを見たことがありますが、確かに同時代のズミクロン を解像力という点では完璧に超えています。

 開放では、沈胴ズミクロンよりシャープさは上です。柔らかさの中にも芯があります。沈胴ズミクロンは開放では柔 らかすぎて、芯がない感じです。
 ただ、f5.6では沈胴ズミクロンの方がシャープだと思います。髪のさらさらした感じが沈胴ズミクロンではよく出てい ますが、レチナクセノ ンではザラッとした感じです。

 色のりは好みでしょうが、レチナクセノンは色が強調されすぎている感じがします。

 被写体を選べばレチナクセノンの色のりはとても有効だと思います。たとえば、鮮やかな風景、外国の避暑地や色と りどりの丹青などにはとても良さそうな気がします。
 沈胴ズミクロンの色のりは暖色傾向があるので、ちょっとくすんだものや湿度の多い風景によく合う気がします。

 遠景は、ズミクロンは全くかなわないような気がします。遠くのものの情報量が違う感じです。(沈胴だけでなく、 世代別に持っている4本のズミクロンと比較しても)

 わたしは14階に住んでいますの で、かなり遠くまで見渡せるのですが、この遠景の情報量の多さは40本ほど持っている各種の50mmレンズの中でもトップクラスです。

 今回の上がりを見て、レチナクセノンがこんなにもすごいレンズであるということに驚きました。いやぁ無知でし た。

 こうなるとクセノンF2.8、ヘリゴン、エクター付きのレチナも気になります。

追記 現在は引っ越ししてしまい、二階に住んでいます。(2007. 01



3.レオタックスK

レオタックスKを銀座の橋の上の店で手に入れました。

その日は会社を遅出して、日本橋のニコンのSCで修理品を受け取り、ついでに近所のカメラ屋さんをのぞいたとこ ろ、CLEの割と安いやつがありました。

一瞬グラグラときたのですが、修理のことなど考え、気を取り直し、買わずに出社しました。

 しかし会社にいてもCLEのことが気になったので、会社は仮病で早退し、まず銀座で相場調べをして日本橋に行こ うと思い、銀座に向かいました。

 ところが最初に入った店でレオタックスKを発見してしまい、頭に血が上ってしまいました。

 レオタックスは前からほしかったカメラでした。特にKはシンプルで、セルフ無し、低速シャッターなしという簡潔 さが、数あるライカコピーの中でも素敵なカメラです。
 値段は相場だと思いましたが、手に取りますと、完動品であたり無し、皮のはがれ無し、軍艦部の錆が若干ありという物で した。

 血が上っていますので、購入を即決し、その足で柴又の修理屋さんに駆け込んでしまいました。

 完動品でしかも6ヶ月の保証付きですが、錆の出ているところとメッキの剥げたところ(軍艦部、前面ねじ、巻き戻 しレバー、接点切り替えレバー、巻き上げノブ、底板等々)を全部取り替えてもらおうと考えたからです。

 柴又の修理屋さん、小谷メンディングにはご存じの通り、レオタックスの部品がすべて揃っています。(残り少なく なった部品もいくつかあるようですが)

 部品交換とこの際ということでオーバーホールもお願いしました。
 
  軍艦部のカバー、巻き上げノブ、シンクロレバー、シャッターダイアル、底板等々が新品になり、面目一新というところ です。
(ただ昭和光学からレオタックスに刻印と番号が変更されている。)

 ただこのレオタックスKは、残念ながらボディーのみで、レンズがついていなかったので、 ヘキサノン50mm/F2.4をつけて使っていました。

 このカメラには本来トプコール5cm/F3.5の固定鏡胴のものがついていたと記憶してましたが、レンズのみの 販売はまず無く、あったとしてもやけに値段が高いようです。

 また、私は、固定鏡胴より沈胴レンズが好きですので、どうせ高値ならば、沈胴トプコールにしようと思い探してい ました。

 ところが、アメリカの通販業者のリストでミント物のトプコール沈胴5cm/F3.5が出ているのを見つけ、後先 考えず、直ちに注文しました。値段はかなり高いものでした。

 やってきたこの沈胴トプコール、ミント物の名に相応しくピカピカの物です。使うのが勿体ないくらいです。
新品同様のレオタックスKによく似合います。キャップもレオタックスのものがついています。

 レオタックスKに装着し、絞りを動かそうとすると、絞りがない。たしか、沈胴のトプコールは絞りが外側にあった はずです。
 レンズ前面を見るとエルマーコピーのような絞りがあります。

 「何だ、これは」トプコールではなくシムラーを掴まされたかと一瞬思いました。ところがよく見るとレンズ名はシ ムラー銘ではなくトプコール銘になっています。

 つまり、形がエルマーコピーのシムラー5cm/F3.5と同じ形でトプコール銘のレンズだったわけです。

 まぁ、光学系が新設計になっているかどうかは別として、シムラー5cm/F3.5も定評のあったレンズでしたの で、これで私のレオタックスKもボディにふさわしいレンズがついたわけです。

 買った値段より高い金額をかけて新品同様に戻すというのも洒落ています。 ただこのトプコール付きレオタックスK、レンズ、ボディー等々でM6の中古美品が買うことが出来る程度の出費になりました。(1998.9)

現在はその後、手に入れた固定鏡胴のトプコール5cm/F3.5を装着しています。


4.チョートク師に写真を写してもらいました。

 巻き上げに関して、プロの技を目の当たりにしました。

 とある日曜日、東京の高輪方面にキャノンPをゲットしに出動しました。あいにく、Pはさらわれた後でした。(美 品で安くてメーターと50mmf1.8付きだったのに)

 さぁほかに何か無いかなと見まわしたところ「クラシックカメラ」アルファベータ刊(田中長徳監訳)が堆く積まれ ていたので、 買ってしまいました。

 そして、キャノンPがだめなら、前から気になっていたフォカを買おうと日比谷に向かいましたが、お店は休み、次 に銀座の酸っぱい店でエルマリート28mmのフードを買おうと思いましたが、酸っぱい店もお休みでした。

 ついてないときはどうせこんなものだと思い、橋のたもとの店にいったところ、ここも休み、今日はカメラを買うな という天の啓示だなと思いましたが、戻って、K堂からSカメラときて、Sカメラの委託品を見るために店の角を曲がったところ、田中長徳師が小包の箱を足下 に置きながら、どなたかと話をしているところでした。

 私は最初の店で買った本にサインでももらおうと考え、話が終わったところでその旨話したところ「どこでこの本は 手に入れました、買ったという人は第1号だ。」などといいながら快くサインをしていただきました。

 サインが終わった後、ライカの話になり、「M3のDSとSSの違い、DSとSSはどちらがいいか」などを話しま した。ちょうどM2とM6を持っていましたので、M2を見せてくれということになり、バッグから取り出したところ、フィルムが入っていたので私を4枚ほど 写してくれたわけです。

 もう1台のM6にも話題が及び、ご本人は笑いながら「石ころライカ」ことM6をこのごろよく使うということで、 M6も含めた新たなライカ関係の本を執筆中だということでした。

 長徳師の巻き上げは2回の小刻み巻き上げで、巻き上げ速度は速いし、ピントのあわせも素早い、さすがでしたね。 つくづくプロは違うなぁと感動しきりでした。

 私が小刻み巻き上げのことを指摘すると長徳師は「そうですか」といい、全く意識はしていないようで、体が覚えて いるという感じでした。

 足下の小包は「ハッセル」だそうで、京橋郵便局に取りに行った帰りということでした。折角だから名刺交換でもと いうことになり、名刺を交換して、長徳師は小包を小わきに抱え、銀座の雑踏の中へ消えていきました。

 私はライカの伝道師に路上ではありますが直接導きを受けてしまったわけですから、今後はライカ以外のレンジファ インダー機には手を出すまいと固く決心し、ニコンF2アイレベルを買って家路につきました。
(1998.5)

その後、田中長徳さんとは色々なところでお会いして、顔見知りになりました。
今年になって、ケース付きのライカIIIGを譲って頂きました。(2000.10.16)

  


5.ライカのストラップ

 私も数台のライカMを使用していますので、ストラップには悩んでいます。なかなか「これだ」というのは無いで す。すべて一長一短です。

 ちなみにどういうものをつけているか、カメラ別に記すと次の通りです。
 
M2   自作皮 16mm幅 茶 長さ調節はベルト式 
      吊り輪は直径2cmほどのホルダー部品利用 
          欠点はごつすぎること。 
      皮と金具と滑り止めはすべて東急ハンズで購入(以下同様) 
M2R  レプリカ皮 茶 
M3   レプリカ皮 茶 
M3   自作皮 10mm幅 茶 長さ調節可 吊り輪はオリンパス 
M4   レプリカ皮 黒 
M5    レプリカ皮 黒 
M5   ニフティーFPHOTOオリジナル 
M6   現行品 
IIIf     自作皮 10mm幅  茶 長さ調節不可  
      吊り輪はオリンパス 
 M6のストラップは、現行品(付属品)を使用しています。
私には特に使いづらくもないのでそのままです。またすぐはずせるところも良いと思います。

 ただ、ナイロンの肌触りより皮の肌触り、また皮のなじんでくる感覚が好きなので、レプリカと自作のものをM2か らM5にはつけています。

 レプリカにも肩当ての滑り止めが2種類あり、ゴム風のものとプラ風のものとありますが、ゴム風のものがオリジナ ルにより近い感じです。見た目はゴム風のものがいいと思います。

 自作のものではIIIfにつけている長さ調節が出来ないものがシンプルで一番使いよいです。吊り輪は以前カメラ 毎日別冊(面白読本だったとおもいます。自信がない。)に出ていたように、オリンパスのものが良いので利用しています。もう少し大きければ言うことなしで すが。
 皮の幅も12mmならもっと良いのですが10mmではやや細い感じです。(ライカオリジナルは12mm)

 オリジナルの皮ストラップも時々見かけますが、びっくりするような値段がついてますので、あの値段(15000 円から20000円)では手に入れようとは思いません。

 いずれにしても、気に入るストラップに出会うまで、試行錯誤がまだまだ続きそうです。(1999)

現在はオリジナルの皮ストラップを2本手に入れて使用しています。(2000.11)



6.フォカ入手

 夏向けに相応しい一台ということで、フォカを手に入れました。
 (何故、夏向けかは聞かないように)

 このフォカは星3つのレバー巻き上げのものです。バヨネットのユニバーサルRもあったのですが、フォカの交換レ ンズは見かけたことも無いので、煩悩を増さないために、標準レンズ以外は距離計非連動(レンズ交換は出来ますが)の3星にしました。

(夏の東京で交換レンズを求めて三千里というのは考えただけでも暑くなるので)

 レンズはオプラレックス50mmF1.9がついています。絞りは大陸式のものです。ボディーとレンズの年代が合 わないような気がしますが、まぁ気にしないことにします。ガラスがとても綺麗です。
 おまけに付けてくれた純正フィルターは42mmのかぶせ式ですが、傷だらけなので、ガラスの交換をしました。
 フードはついていなかったのですが、手持ちのかぶせ式42mmがぴったり合いましたのでラッキーでした。

 皮ケースは前面にフォカと入った茶色のものです。ライカのものと比較すると頼りない感じがしますが、あっさりし た小粋な感じで、さすがおフランス。

 カメラ自体は小振りで軽くて、出っ張っているところが無いせいか、ホールドしやすいものです。バルナックに通じ るホールド感で、バルナックを超えているかもしれません。

 作りはさすがに良い意味でも悪い意味でもおフランスです。

 外観の素敵なデザイン、ボディーの剛性の高さ、シャッターダイアルやシャッターボタンの配置と見栄えの良さ、綺 麗な各種のメッキなど、さすがに良いなと思うのですが、フィルム巻き上げ軸の貧弱さ、またレンズ基部で手を切ってしまうなど(レンズをはずして基部の周り を強く擦ったところ指の皮が切れました。)、一部のところの仕上げの悪さはなかなかのものです。カメラに必要な所以外、つまり重要でない部分は徹底的に手 を抜いてある感じです。

 さらにシャッターボタンの遊びが大きくグラグラして、なおかつレリーズタッチが重いのです。(この後修理し、軽 くなった。)これはソフトレリーズボタンをつけることにより、若干改善されると思います。シャッター音は小さくはありませんが、カチャッと小気味よい音を 立てます。

 ファインダーはブルーの色つきがありますが、若干暗く、接眼部が一眼レフのように真ん中にあることに加え、奥に 引っ込んでいるので眼鏡をかけている私にはやや辛いところがありますが、見え自体は決して悪くありません。距離計部が四角で大きいものですからピント合わ せは楽です。オーバーホール済みなのでコントラストも適度にあります。

 ライカと比較すると、精密感はないものの、シャッター構造以外は徹底的にライカの模倣を避けながらも、洒落たデ ザインで、バランスのとれた割と使いよいカメラであるのがフォカの不思議な所です。

 日本とドイツ以外のカメラは使ったことが無かったのですが、フランスの哀愁漂う、このフォカが日本の夏をどのよ うに写すのか、気になるところです。

 その後、ユニバーサルRと交換レンズも手に入れました。(1998.7)



7.ヤシカYF手に入れましたが

  現在、国産のライカマウント機に興味があり、国産ライカ沼に片足を突っ込んでいる状態です。

 ただ、レオタックスG、メルコンII、バルナックタイプでないタ ナック各型、オーナーなどは見ることもありませんし、たとえあっ たとしても高くて手が出ません。

 国産バルナックコピーやスクリューマウントレンズも出てくる数が減ってきて、値段も高くなりつつあるようです。

 さて、先日、東京地方は梅雨が明けたかのように晴れて暑かったのですが、太陽の光に誘われ、仕事をさぼり、ふら ふらしていると、さる所でヤシカYFを発見しました。スーパーヤシノンF1.8つきです。

 簡単なチェックのあと、支払いをすませ、会社退社後ホテルに帰り、(現在、仕事の都合上家に帰ることが出来ませ ん)包装をほどきました。

 今はなきニッカの文字がファインダーの下にあります。
このカメラの出自の正しさと由緒、滅び去ったものの儚さを感じさせます。

 巻き上げレバーを巻き上げ、シャッターをきると快調に動いています。ファインダーもスーパーヤシノンも曇りもな く、綺麗です。
 
 ところが、フィルム巻き戻しレバーを押したところ、全く動かなくなってしまったのです。あとはどうやっても動きませ ん。

 残念ながら、20分だけの蜜月でした。翌日、YFは返品ということになりました。
 
 しかし、考えていた以上にヤシカYFは、作りの良いカメラでした。

  この反動でキャノンVILを 買ってしまいました。 (1998.6)

 その後、再度YFを手に入れました。(1999.12)



8.ライカでの決算

 ライカを手に入れて数年になりました。

 最初のライカは、勿論M3でした。M3のボディだけを手に入れましたが、当初金欠で、レンズをまで手が回りませ んでした。約一ヶ月間はボディの清掃とシャッターをきることのみで過ごしました。

 その後、ヘキサノン50mmf2.4を購入しましたが、当初のヘキサノンはメッキか何かの欠陥で無限がこなかっ たということがライカ沼にズボズボはまるきっかけとなったようです。

 ヘキサノンを修理に出した翌日に現行のズミクロン50mmを購入し、あとはズブズブと沼に沈んでしまいました。

  カメラもM3だけの1台体制から、M2、M4、M6、CL、IIIF、M5、M3と8台体制(現在は17台体 制)になり、レンズもヘキサノン50mmからMマウントのズミクロン50mm5本、ズミルクス50mm、エルマー50mmf2.8新旧と3.5の3本、エ ルマリート21mmASPH、エルマリート28mm、ズミクロン35mm4本、ズマロン35mmf3.5、ズミクロン90mm、テレエルマリート 90mm、エルマー90mm、エルマー135mm、ズミクロン40mmとMロッコール2本など30本、スクリューマウントがヘキサノンの他に4本(現在は 何本あるか不明)ということになりました。

 幸いなことに重度の黒皮病ではありませんので(というよりクローム病です)、そちら方面の煩悩が全くないという ことが一抹の救いです。(苦笑)

 4台のカメラをオーバーホールし、10個のレンズにクリーニングを施し、使わなければカメラがいかれてしまうと 思い、フィルムを入れてはシャッターを切り、また、常に金策を考えながら、見てはいけないと思いながらもクラカメ店のショウケースを覗いてしまう。(アク セサリーも増えました。)

 さらに、ライカだけでは本来のライカの良さがわからないとコピーライカにも手を出してしまう。(2台あります。 現在は12台)

 いやぁ、我ながら本当に疾風怒濤の精進生活でした。よく金策できたなと思っていますが、ライカを買うと不思議と 仕事が増え、金回りが一時的に良くなり、また買うということの繰り返しでした。
 ライカは幸運を呼ぶカメラだと半ば信じています。そして煩悩も。

 さすがに、一時ほどの強い煩悩は無くなりましたが、枯れたわけではありませんので、近接ズミクロン、スーパーア ンギュロン、ズミルクス35mm、ノクチルクス、M5のクローム、M2−R、IIIGとの煩悩にいまだ悩まされています。全く修行が足りません。 (その後、すべて入手、しかしM2−Rは手放した。)

 約1年間、ライカで撮影したフィルム本数はおよそ150本というところでしょうか。やっとライカの良さがわかり かけてきたところです。

 現在の最大の願いはテーブルの上にボディとレンズとアクセサリーをすべて並べて(逸品は全くありません、ありふ れた実用品ばかりです。)カタログのような記念写真を撮りたいということです。

 でも無理な願いです。深刻な家族争議になってしまいますから。(1998)

 こんな時代もあったなと反省。ボディやレンズの数は表を見ないと分からなくなりました。(2000.10. 19)

 


9.何故ライカなのか 
     
 好きなカメラはたくさんありますが、ライカを使うことが最も多いです。
では、何故ライカなのか?

 ライカの良いところは、シャッター音の小ささやレンズの味わい等々色々あるわけですが、ちょっと見た目には普通 のカメラにしか見えませんので人物を写すとき、被写体が構えないというところが利点であると思います。

 ライカのレンズで最も好きなレンズはM用のズミクロンの50mmです。ズミクロンも年代別にそろえていますの で、シチュエーションや条件により使い分けています。 (1998.12)


10.どこでカメラを買うか

 私は東京に住んでいますので、新品カメラの購入は値段で決めています。 量販店やカメラ雑誌に広告を出している店の中で一番安い値段の店で買うことにしています。
 修理の必要がある場合はサービスステーションに持ち込めばよいと考えているからです。東京に住んでいるので可能なのか もしれません。
 
 問題は中古を買う場合です。中古カメラでもM型ライカやバルナックライカの場合は修理屋さんに持ち込めば、ほとんどの 場合修理出来るので、あまり心配いらないのですが、その他の国産や外国製の中古カメラは必ずしも修理出来るとは限りません。
 修理を受け付けてもらえないことも間々あります。

 結局のところ、中古カメラを買う場合は保証のしっかりしている店で買うことが重要だと思います。6ヶ月や1年間 の保証でなくても3ヶ月だけでも良いと思います。修理できなければ返金するという店が安心です。

 海外からカメラを買うことも多いのですが、これも保証がしっかりしているカメラ屋を選ぶことが重要です。
保証といってもほとんどのところが返送した場合の返金保証ですが、店により保証期間に差異があります。
長いところで3ヶ月、短いところでは1週間程度です。1週間でも無いよりましです。

国内でも、海外でも保証がしっかりしているところでは値段が高くなるのは仕方のないところです。保険料のようなも のです。
 

 以前、海外から買ったアクセサリーが故障していました。その旨海外のお店に連絡したところ、返送するか日本で修 理してくれという連絡がありました。日本でこの程度かかるということで連絡したところ、高いけど仕方ないので次回の注文時に代金を差し引くということで決 着しました。そのやり取りの際に、「私が送ったときは故障していなかった。」ということを2度も3度も言うので、さすがアメリカの店だなと感心というか呆 れてしまいました。
 この店とはその後、修理代を取り戻すため1回だけ買い物をして取引をやめました。(1999.2.25)
 

追加

現在、インターネットを利用した海外オークション(たとえばeBay)が流行っていますが、これは国内で委託品を 買うのと同じと考えて良いようです。完全なオウンリスクです。ただ例外もあります。それは気に入らない場合の返送保証が付いていることがあります。委託品 でも一週間以内はOKという場合もあります。(1999.6.10)

国内でも電子オークションが盛んになってきました。



11.私のライカと標準レンズ

 私の手元でも幸か不幸か、ライカが順調に増殖しています。

 コレクターではないと思っていましたが、数がある程度まとまってくると、やはりコレクター道に一歩踏み出したと 実感せずにはいられなくなりました。

 それでも、ある程度の防波堤というか原則に従って、集めることにしています。

 防波堤とは「自分より古いレンズやボディは買わない」ということです。私の生まれた年(1953年)のボディは IIIFのレッドダイアル、レンズは赤エルマーやズミクロンになります。これ以前のボディやレンズは欲しくてもじっと我慢です。
 ただ、いかんせん防波堤ですので時々、大波が越えてくることもあります。

 今までは大波を何とか、かぶらないようにしてやってきました。
ところが、先月、大波をかぶってしまいました。

 そんなことで、ある一台を手に入れました。IIIC改装のIIIFセルフ付きです。番号からは1941年の IIICですが、外観や内容は見事にIIIFになっています。シャッターの系列にIIICの面影が残っています。
まぁ、これはライカの改装もので、ご承知のように珍しくはありません。

 でもライカの改装ものは前から欲しかった一台です。
A型改装のIIIFなんてたまりません。コレクターはこのような改装ものを嫌う人が多いようですけど、コレクター駆け出 しの私にとって、バージョンアップされた機体はかつての持ち主の愛情が感じられて、感動すら覚えます。

 私はライカやライカコピーには必ず、1ボディに1台、なるべく似合う標準レンズをつけることにしています。

 ちなみに現在、基本的には(CLのみ40mm、あとは全て50mm)
 
 
M2 Mエルマー3.5 一番古いもの同士の組み合わせ
M2R 近接ズミクロン  定番の組み合わせ、年代は違う
M3(SS)  Mエルマー2.8(旧)  同じ1966年製
M3(DS) 沈胴ズミクロン 買ったときの組み合わせ
M4  Mエルマー2.8(新) ちょっと不似合い
M5(黒) Mズミクロン 5群6枚のもの  同時代のもの
M5(白)  ズミルクス初期型 見てくれだけでつけている
M6 Mズミクロン現行型  同時代
CL  MロッコールとズミクロンC ロッコールはCLE用
IIIF 赤エルマー  同時代
IIIC改 ズマリット 
SL    ズミクロン3カム改 同時代
R3 ズミクロンRカムサファリ 一応同時代

というところを装着していますが、IIIC改を手に入れたところで余ったスクリューの50mmは3本ありました が、2本はコピー機に嫁入りし、ヘキサノン2.4のみになってしまいました。

 このヘキサノンは本年暮れ、来るであろう安原一式につくことが決定していますし、またライカにはライカのレンズ ということで、新たに一本購入することにしました。

 何を買うか悩みましたが、ズマリットを持っていないことに気づき、早速、青山のカメラ屋さんに出撃しました。

そうすると、委託品のコーナーに安いスクリューのズマリットが鎮座しています。たまらなくゲットしました。

外装は綺麗ですが、内部に若干の曇りがありますので、現在山崎光学さんのお世話になっています。

IIIC改に装着しましたが、感想は「重くて、ご立派」。ただフードが無いので、フードは高いオリジナルか決して 安くない国産品か迷うところです

 これで、13台のライカボディに13本のライカ標準レンズということになりました。あとはM用に何とか、ノクチ ルクスと35mmのズミルクスを手に入れれば満足、満足というところです。(1998)

ズマリットのフードはオリジナルにしました。(1999.9.19)



12.ライカコピーと標準レンズ

 ライカコピーを何台か使用していますが、コピー機にも全て標準レンズを装着しています。
ちなみに、次の通りです。
 
レオタックスK トプコール固定鏡胴5cmf3.5 発売時の組み合わせ
レオタックスF トプコール沈胴鏡胴5cmf3.5 発売時の組み合わせ
ニッカ5 ニッコール5cmf2 発売時の組み合わせ
キヤノンVIT  キヤノン50mmf1.2 発売時の組み合わせ
キヤノンVIL キヤノン50mmf2.2 ちょっと不似合い
キヤノン7 キヤノン50mmf1.8 発売時の組み合わせ
フォカ☆☆☆  オプラレックスf1.9 絞りは国際系列
フォカユニバーサルR オプラレックスf1.9 発売時の組み合わせ

発売時の組み合わせとありますが、ほとんどのレンズはボディに合わせて、あとから購入したものです。



13.マクロスイターと近接ズミクロンとRズミクロン
 
 いつも年末といえば、年賀状なのですが、今年もお手軽な写真年賀状で済まそうと考えています。
一昨年は昇華型プリンターで作成しましたが、時間とコストと手間がかかるのに閉口しました。

 写真は息子の写真です。昔はよそ様から子供の写真入りの年賀状をもらって、こんなことはしたくないなと
思っていましたが、結局、私もバカ親の一人になってしまいました。(苦笑)

 今回、年賀状のために息子を撮影したカメラはM2、M2RとR3でレンズはマクロスイターの1.9と近接
ズミクロン、ズミクロンR(サファリのRカム)の50mmトリオです。

 屋外でマクロスイターと近接ズミクロンを同じ条件で撮りました。また屋内でマクロスイターとズミクロンR
を同じ条件で撮りました。
 どのレンズも定評のあるレンズなので、気に入った写真を年賀状に使用しようと考えました。

 マクロスイター1.9はまだ手に入れたばかりなので1.8との比較もかねての撮影です。

 (1)マクロスイターの情報量の多さにビックリです。1.8よりさらに情報量があるような感
       じです。さすがに高解像力レンズです。

 (2)近接ズミクロンは暖色系の色つきがきついようです。シャープですが、マクロスイターと比較
       すると情報量が違いすぎます。マクロスイターは毛穴とは行きませんが、ほぼ3才の息子のほっぺのざらざ
     らまで写っています。
    近接ズミクロンはのっぺりした写りです。

(3)写りはどちらも良いのですが、人を撮すという点では近接ズミクロンの方が私の好みです。
      肌のあれまでくっきり出すマクロスイターはすごいと思いますが、写真としては肌荒れを適度に隠
   してしまう近接ズミクロンの人物写真の方が私は好きです。

(5)マクロスイターとズミクロンRともに開放で撮り較べましたが、シャープさはどちらも互角。
   解像力はマクロスイターの方があるが、ズミクロンRもなかなかのもの。
   肌はズミクロンRの方がきれいに写る。

(結論)
 別の被写体では違う結果になると思いますが、いずれにしてもマクロスイターはもう少し、使いこなさないと
私にはものになりません。(ピントリングがライカのレンズと逆向きなのでピンぼけ写真を量産してしまいまし
た。1.8も同じでした。)

 撮した写真の中では、ズミクロンRで撮ったものが一番私の好みでした。シャープかつまろやかな解像力。
 しかもしっとりした色合い。年賀状写真はこれで決まりました。

 このRカムのズミクロンは現行のM用ズミクロンと色合いやボケがそっくりのような気がします。
 解像力は少し違うようですが。